光学資料・公式:説明
スネルの法則
光の屈折の法則は、スネルの法則とも呼ばれています。 また、光が真空から物質に進むときの屈折率を絶対屈折率といい、 「真空中の光の速度」と「物質中の光の速度」の比率で以下の式で表されます。
光が屈折率n1の物質1から屈折率n2の物質2に進むときの屈折率を相対屈折率といい、n12とすると
の式になります。
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上図は、スネルの法則を表したものです。屈折率n1の物質から屈折率n2の物質に光が入るときの関係を示したもので、 入射角θ1と出射角θ2とのあいだには、
という関係があります。また、光には逆進性がありますので、屈折率n2の物質から屈折率n1の物質に光が進むときにも、 上の式は成り立ちます。
以下の図のように、光が水の中から空気中に進むとき、全反射が起きる角度を臨界角といいます。この臨界角度θ1を スネルの法則からもとめてみましょう。
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水の絶対屈折率n1 = 1.33, 空気中の屈折率n2 ≒ 1, θ2 = 90°とすると
∴ θ1 = sin^-1 (1//1.33) = 48.8°
となり、水中からの入射角θ1が48.8°以上になると光は全反射します。
倍率・視野
[倍率]について
弊社製品の倍率は、観測対象物の大きさとモニターに表示される大きさとを比較して、
総合倍率として表示しています。
例えば、観測物のサイズ=1mmが、モニター画面上=10cmとして表示される場合は、
また、総合倍率とレンズの光学倍率、モニターサイズ、カメラの撮像素子サイズ、
有効画素比率とには、以下の式の関係が成り立ちます。
撮像素子サイズ(inch) | 1 | 2/3 | 1/2 | 1/3 | 1/4 |
有効画素比率 | 0.63 | 0.65 | 0.63 | 0.7 | 0.7 |
例えば、光学倍率=2倍、モニターサイズ=17インチ、撮像素子サイズ=1/3インチの場合、
[縦視野]について
縦視野の計算式は
ここで有効画素縦サイズは、以下の表のとおりです。
撮像素子サイズ(inch) | 1 | 2/3 | 1/2 | 1/3 | 1/4 |
有効画素縦サイズ(mm) | 9.6 | 6.6 | 4.8 | 3.6 | 2.7 |
例えば、光学倍率=10倍、撮像素子サイズ=1/2インチの場合は、
この場合は、縦視野が0.48mmとなります。
歪曲(わいきょく)収差 : Distortion
歪曲収差は、正常な像幅をAとし、実際の像幅をBとした場合
となります。
正常画像:歪(ひずみ)なし 樽型歪(Barrel) 糸巻型歪(Pin Cushion)
分解能と解像力:Resolution and Resolving Power
分解能は、2点を分離して見ることができる最小の間隔を表します。
理論分解能は次の式で表されます。
解像力は1mm内で認識できる最大ライン数で表されます。
つまり分解能の逆数を1/1,000倍すると与えられますので、
となります。
N.A.:Numerical Aperture = 開口数
図の物体側2θを開口角、像側2θ’を集光角といいます。
この時、物体側の開口数N.A.は、
作動距離:Working Distance
対物レンズから物体までの距離を作動距離:WDといいます。
Fナンバー
Fナンバーは絞り値ともいわれ、無限遠のレンズの明るさを表します。
Fナンバーは小さい程明るくなります。 Fナンバー:Fと焦点距離 f、有効レンズ口径 Dとの
関係式は
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像の明るさは、Fナンバーの2乗に反比例します。
言い換えると、像の明るさは、Dの2乗に比例し、fの2乗に反比例します。
焦点深度と許容錯乱円
レンズの収差や光の回折限界のため、点状の像は、ぼけて円盤状になります。
このぼけた像が許容される大きさの円盤を許容錯乱円といいます。
許容錯乱円の直径をεとすると
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上図の関係になります。したがって焦点深度は
として求めることができます。
被写界深度と焦点深度
レンズと物体の距離を前後にずらしても像がぼけない範囲を被写界深度といいます。
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前側・後側の被写界深度は、次式で求まります。
また、この式を変形していくと
となります。
オプションレンズ
深度合成
複数枚超解像
メタマテリアル